【記憶の函】
留まることなく 生まれる『今』は
色鮮やかな 記憶を産み出す
降り積もる淡い欠片は やがて
雪の様に 儚く消える
思い出は風に溶けて
私の想いは薄れゆく
記憶の証はどこにも残らず
泡沫
うたかた
のように忘れゆく
だから私は 閉じ込める
心の中の 奥深く
眠る硝子の 箱の中
一際輝く 欠片を仕舞い
消えないように 鍵掛けた
やがて欠片は 光を放ち
色褪せることなく 輝き続ける
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